ハロウィン

＋妹と連れ立ってお菓子を略奪しにご近所をまわりました。
いい歳こいて何やってんでしょう。
衣裳も用意してしかもばっちりそれ専用の化粧まで
施す始末。何血迷ってんですか。
それが思ったよりかなりよい仕上りで、元々不健康生活で
顔色の悪いせいか、妙に「本物」っぽくなってしまいました。
いたいけな少女をビビらせる始末です。
生まれてきてごめんなさい、世界中にごめんなさい。
＋だいたいにしてこの行事（trick or treat）は子供のものです。
それに何をはりきって参加してしまっているのでしょうか。
そんなのコスプレした愛らしい子供たちを怪しまれることなく
思う様観察するために決まっています。南瓜万歳です。
＋あるお家を襲撃しました。玄関には既にお菓子の入った
バスケットが用意されていて、人のよさそうな小母様と
二歳くらいの可愛らしい女の子が待ち構えていました。
女の子は衣裳こそ普通ですが、頬に赤い丸が描かれています。
＋決まり文句の「trick or treat!」を妹と口を揃えて言いますと
（手馴れたものです）女の子が一生懸命それぞれ持参の
バスケットの中にお菓子のセットを入れてくれました。
お礼を言うと、それはそれはもう嬉しそうな顔で「thank YOU!」。
＋いっそ犯罪者になってもいいや、魔女だし（誘拐はつきもの）。
とか思ってしまいました。（恩知らず）
＋他のお家を襲撃しますと、明らかに自分達も仕事から
帰って来たという風体の姉弟二人が玄関先に座っていました。
何やら大声で言い争いをしています。

弟「もう疲れた！もう寝る！」
姉「じゃあ上行ってなさいよ！でもその代わりこれ（お菓子の
手渡し）やっちゃ駄目だからね！」
弟「いいよーだ」

ここに乱入して決まり文句を言いますと、ダラケてた弟くん、
途端に元気になってお菓子を一掴み、必死に走ってきて
バスケットの中に放り込んでくれました。妹の分を持ってきてくれた
お姉ちゃんが、呆れたような顔でわたしに言いました。

「さっきまでずーっと疲れた疲れたってうるさかったのに、
突然疲れてないことにしたんですって！」

微笑ましい限りです。
＋サクナルなネタに使えそう、とかひっそり思ったことは
口外無用で宜しくお願い致します。
＋ハロウィンが一年の行事の中で一番好きです。